【マレーシアの宗教的大型連休・お祭り】ハリラヤ・ディパバリについて全解説

日本には大型連休というと、GW・お正月くらいですが、マレーシアは多民族国家のため、各宗教ごとに有名な行事・それに伴う大型連休が存在します。

マレーシア滞在中の方は、これらの祝日は学校・会社などがお休みになるため、エアアジアなどでマレーシア近辺を旅行できるチャンスです!(※逆にマレーシアに旅行に来たいと思っている方は閉まっているお店もあるので、気をつけてください。)

マレーシアの代表的な宗教的なイベント・大型連休
  1. ハリラヤ イスラム教の断食明け祭
  2. ディパバリ インドの正月
  3. 旧正月(チャイニーズニューイヤー) 中国の正月

中国の旧正月は割と日本でも馴染みがあるかと思いますが、ハリラヤとディパバリについてはマレーシアに来てから初めて知った宗教行事だったので、今回はこちらに関して調べてみました。

イスラム教の断食祭 ハリラヤについて

ハリラヤとラマダンの関係

ハリラヤを知るには、まずラマダンから。

マレーシアの国の宗教はイスラム教ですが、イスラム教では年に1回「ラマダン」と呼ばれる断食を行う月が存在します。
イスラム教のマレー人が、1ヶ月に渡るラマダンを終えた断食明けのお祭りが、「ハリラヤ」です。
(マレーシアでは「ハリラヤプアサ」、海外では「イード祭」と呼ばれたりします)

マレーシアでは、ラマダンはイスラム教の人のみ行います(イスラム教以外の人に強制されることはありません笑)
しかし、ハリラヤはマレーシア国民全体にとっての大型連休です。断食しなくてもついでにお休みだけもらえてラッキーですね。

1ヶ月も何も食べなくて平気なの?

ちなみにラマダンは1ヶ月まるっきり断食するわけではなく、日の昇っている間のみだけで、実は日没から日の出までの間は食事が許されています。ダイエット目的ではないにせよ、せっかく断食するのに夜中食べるなんて逆に不健康だし太りそうだと思ってしまいますね。

実際、ラマダン中はマレー人は太るそうです。

そして、ラマダン中のマレー人は日中は普通に仕事をしていますが食事が取れないため、この期間はイライラしていることが多いです。

マレー人の前で気を使わず食事をしたり、おやつ・食事を勧めたりすることは失礼なので止めましょう。

ラマダンについて詳しく

ビジュアラ暦の第9月の事で、このラマダンの間は、イスラム教徒の五行のひとつである「断食(サウム)」が行われます。

◎イスラム教徒の五行:信仰の告白(シャハーダ)、礼拝(サラート)、喜捨(ザカート)、断食(サウム)、巡礼(ハッジ)

断食は飲食物の摂取量を減らすことが目的ではなく、あくまで宗教的な試練として10歳以下の子どもや妊婦、病人を除くイスラム教徒に課せられます。
この約一ヶ月間は完全に絶食すると言うわけではなく、日の出ている間は水分程度の補給に控え、日没から日の出までの間に一日分の食事を摂る決まりになっています。
ラマダン中は夜食が盛大になり通常より食糧品の売れ行きが良くなるといわれています。

また、喫煙、性行為、けんか、不適切な言動も日の出から日没の間は禁止されています。

出典:tokutenryoko.com/qa/5/13

ハリラヤの時期

ハリラヤ・ラマダンは毎年違う日に行われます。
これは、ラマダンが太陰暦(イスラム暦/ヒジュラ暦)の行事のため、太陽暦に換算すると毎年違う日になるからです。

イスラム暦では1年間が354日しかないので、1年365日の太陽暦とは11日ほどズレが生じます。

2020年のラマダンは4/24からスタート、5/24,25がハリラヤのはずでしたが、今年は新型コロナの影響により会食などはなくなるそうです。

祝日は2日間ですが、実際には学校・会社などは盛大に5連休になったりします。
ハリラヤ中は閉まるお店もあるのでお気をつけください。(ラマダン中は閉まりません)

ちなみに時間ですが、イスラム教では1日の始まりは日没とされるためハリラヤは夜からスタートします。(イスラム国旗などに月と星が含まれるのは、このため)

ハリラヤの間、マレーの人々は実家に帰って会食などをして過ごすそうです。

イスラム教のハラルについて知りたい方はこちら
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ヒンドゥー教の正月 ディパバリについて

マレーシアにはインド系が7%います。マレーシアに住むインド人にとっての一大イベントがディパバリ(Deepavali)です。Diwali(ディーワーリ―)と記載されることも。
インド人にとっては、1月1日の正月やクリスマスより大切な日になります。

ディパバリは『光の祭典』とも呼ばれ、雰囲気的には日本のクリスマスに近いです。

出典:https://nameless.life/2016/10/23/post-1411/

ディーパバリは光の祭典と呼ばれる所以

ディーパバリにはさまざまな言い伝えがありますが、暴君政治で王国を支配していたナラカスラを、市民が支持するマドゥラの主教クリシュナ(ヒンドゥー教の神ビヌシュの化身)が撃破した日が新月だったため、勝利を祝うのに人々がランプを灯したという説が一般的です。つまりディーパバリは善の象徴である光が悪の闇に打ち勝ったことを祝うもので、それが「光の祭典」と呼ばれる所以でもあるのです。

出典:https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/report/MY/2018/10/deepavali.html

コーラムのお米アート

出典:https://www.icls.com.my/english/20181106-1246-2/

またディパバリの時期になると電飾だけでなく、ショッピングモールなどでコーラムというお米を着色したアートが見られます。(※コーラムは地面に置かれており、周りは柵などがあり触れないような形で飾られています。)

私たちが普通に生活していて目にするのは電飾よりお米アートですね。近くのスーパーに買い出しに行った際などにお米アートを見ると、ディパバリの時期なんだなと感じます。

大型ショッピングモールではボリウッドダンスのショーなども見られるようです。

普段マレーシアに住んでいるとイスラム教の文化ばかり強く感じますが、ディパバリの時期はインドの文化に触れられるいい機会だなと思います

コーラムとは?

主に南インドでは、毎朝ヒンドゥー教の女性が玄関などの床に、石灰・小麦粉・米粉などを使って、幾何学模様の図柄を書くそうです。
これには魔除けの意味があり、ヒンドゥーの女神であるラクシュミを祀るためのものです。

出典:https://photrip-guide.com/2016/07/28/kolam/

結婚式や慶次の際などは特に大きなものが描かれるため、ディババリのお米アートもコーラムの一種のようです。

個人的に、宗教的なストリートアートみたいで惹かれます

ヘナアート体験

次のディパバリには、インド文様のヘナアート体験にチャレンジしたいです。
2~3日後に一番色が濃くなってその後1週間で薄くなり、2週間程度で消えるそうなので安心です。
出典;https://tabizine.jp/2014/10/09/21407/

マレーシアのリトルインディア

ディパバリでは電飾やキャンドルの装飾が多く、マレーシアのリトルインディアに遊びに行くとイルミネーションが見られるかもしれません。(シンガポールのリトルインディアでは電飾が有名ですが、マレーシアのイルミネーション情報が見つからず断定できません、すみません)

マレーシアにはインド人街が2つあります。

出典:https://tripping.jp/asean/malaysia/kuala-lumpur/35284

BRICK FIELDS(ブリック・フィールズ)

ヒルトンクアラルンプールの近く、KLセントラルから徒歩5分程度の場所にあります。

Jalan Tuanku Abdul Rahman(トゥンク・アブドゥル・ラーマン通り)

こちらの方が昔からある元祖リトルインディアで通称「TAR」と呼ばれています。

クアラルンプールの中心地であるChow Kitにあります。ペトロナスツインタワー、パビリオンなどからはGrabで5分でいけます。

ディパバリの時期

ディパバリは1日のみで、2019年は10月27日でしたが、2020年は11月14日の予定です。
(ヒンドゥー教もイスラム教と同じく太陰暦を採用しているため、太陽暦だと毎年ズレが生じます。)

私たち夫婦は、今年のディパバリの会社休みを利用してシンガポールに2泊3日で旅行に行きました。

最後に

以上、マレーシアの宗教的なイベント、ハリラヤとディパバリについてでした。
旧正月も盛大に盛り上がるイベントなので、時期が近づいたらまた調べようと思います。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。